診療支援
診断

先端巨大症
Acromegaly
髙橋 裕
(神戸大学大学院准教授・糖尿病・内分泌内科学部門)

診断のポイント

 診断基準(表1)に基づいて診断する。

【1】眉弓部の膨隆,鼻・口唇の肥大,下顎の突出,巨大舌などの特徴的な先端巨大症様顔貌。

【2】血中成長ホルモン(GH),インスリン様成長因子I(IGF-I)値の高値。

【3】発汗過多,高血圧,耐糖能異常・糖尿病,脂質異常症などの代謝異常,月経異常,睡眠時無呼吸症候群,骨関節症状,不正咬合の有無。

【4】疑ったときにはブドウ糖負荷試験によるGH分泌抑制の有無を確認。

緊急対応の判断基準

 下垂体腫瘍による視力視野障害が出現し進展しつつあるときには,必要に応じて緊急手術について検討する。ソマトスタチンアナログによって腫瘍が縮小し改善することはあるが,手術療法のほうが確実であるため緊急性を適切に判断する。

症候の診かた

 先端巨大症の症状にはGH,IGF-I過剰によって生じる症状と,下垂体腫瘍による局所症状がある。

【1】GH,IGF-I過剰の症状

❶手足の容

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