診断のポイント
【1】ホルモン〔副腎皮質刺激ホルモン(ACTH),抗利尿ホルモン(AVP),副甲状腺ホルモン関連蛋白(PTHrP),線維芽細胞増殖因子23(FGF23)など〕過剰の症状がある。
【2】本来の内分泌臓器が責任病巣でないことを示唆する所見がある。
【3】産生部位の特定に難渋することが少なくない。
【4】しばしば症状が重篤で,予後に影響する。
【5】腫瘍の完全摘除により完治が可能である。
緊急対応の判断基準
【1】重症の異所性ACTH産生:敗血症や感染症のリスクが高く,高度の感染症管理を要する。
【2】異所性AVP産生腫瘍による重症低ナトリウム(Na)血症:専門医が治療を行う.補正時には浸透圧性脱髄症候群の防止に細心の注意を払う。
【3】PTHrP産生腫瘍:高カルシウム(Ca)血症クリーゼの発症に留意する。
症候の診かた
【1】異所性ACTH産生腫瘍:肺小細胞癌が原因の場合,Cushing徴候(満月様