診療支援
診断

脳腱黄色腫症
††
Cerebrotendinous Xanthomatosis
関島 良樹
(信州大学教授・脳神経内科,リウマチ・膠原病内科)

診断のポイント

 診断基準を表1に,各病型の特徴を表2に示す。

【1】腱黄色腫。

【2】血清コレスタノール高値。

【3】進行性の神経症状(痙性麻痺,小脳性運動失調,認知機能障害など)。

【4】若年発症の下痢,白内障。

【5】新生児~乳児期の遷延性黄疸・胆汁うっ滞。

症候の診かた

【1】腱黄色腫:20歳台に生じることが多く,アキレス腱に好発するが,膝・肘・手指伸筋の腱など他の部位にみられることもある(図1)。

【2】進行性の神経症状

❶古典型:精神発達遅滞,認知機能障害,小脳性運動失調,錐体路症状,錐体外路症状,末梢神経障害など多彩な症状を呈する。

❷脊髄型:亜急性から慢性に経過する痙性対麻痺の臨床像を呈する。

【3】若年発症の下痢:小児期に出現することが多く,慢性的に下痢を反復する。

【4】若年発症の白内障:本症患者の半数以上に認められ,10歳台に気づかれることが多い。

【5】新生児~乳児期の遷延性黄疸・胆汁う

関連リンク

この記事は医学書院IDユーザー(会員)限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

ログイン
icon up
あなたは医療従事者ですか?