診断のポイント
【1】患者年齢が60歳以上であること。リウマチ性多発筋痛症(PMR)は,通常60歳以上の高齢者に発症する。まれに50歳台で発症する患者もいるが50歳台前半はきわめてまれであり,その場合には十分な鑑別診断が必要。
【2】初診時にすでに「全身が痛い」と訴える患者が多い。特に両側の頸・肩部,大腿・腰背部などの近位部の痛みやこわばり感が多いが,末梢の関節痛や関節炎も少なからず認める。これらの症状は一般的に数日程度の短期間で完成する。
【3】炎症反応高値が認められる。特異的な検査所見はないが,炎症反応陰性のPMRは存在しない。
【4】ほかに原因となる疾患が認められない。高齢発症関節リウマチ,感染症,悪性腫瘍など症状の類似する疾患が鑑別に挙げられる。
症候の診かた
【1】高齢者において,強い全身の疼痛と全身倦怠感などのため,明らかな臓器障害はないものの日常生活に著明な影響が出ているとの訴えがみられ
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