診断のポイント
【1】出来事基準:死亡,重傷,性暴力被害を直接体験した,脅威を受けた,目撃したこと。
❶被害を受けずとも,差し迫った危険に直面した場合も含まれる。
❷伝聞による体験は,家族などの親しい人物が予期せずにこのような被害を受けたことに限られ,一般的なメディアのニュースを見ることは含まれない。
❸遺体収容者のように,被害現場の細部に業務として直面し続けることは含まれる。
❹子どもに対するネグレクト,感情的虐待は,それが上記【1】の出来事を伴わない限りは,含まれない。
【2】症状基準:侵入症状,回避症状,認知と気分症状,覚醒亢進があること。
【3】上記【2】が1か月以上続くこと。
症候の診かた
【1】侵入症状
❶出来事がその当時のありありとした知覚,感情,思考を伴って非意図的に,あたかも意識のなかに「侵入してくるかのように」想起され,現在の自分が安全であるという感覚が失われる。意識のなかに記憶が侵入して