診療支援
診断

変換症・解離症群
Conversion and Dissociative Disorder
宮地 英雄
(北里大学健康管理センター・准教授)

 「変換症」「解離症群」はそれぞれ,米国精神医学会(APA)が編纂したDSM(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders)の第5版の翻訳版から登場した用語である。「変換症」は,「身体症状関連症群」というカテゴリーに含まれる診断名であり,「解離症群」は「解離性健忘」や「解離性同一症」などの疾患を含むカテゴリー名となる。ICD-10では,「解離性[転換性]障害」とまとめられているが,DSMでは,前版から引き続いて別群として扱われている。これらは以降にまとめるように,共通して考えてよい点が多々あるため,本項ではまとめて示す。

診断のポイント

【1】神経疾患を疑う症状:運動障害や感覚障害,けいれん,意識障害の存在。

【2】医学的な身体的検査では上記【1】の症状を説明できない。

【3】症状により,社会的あるいは生活上に苦痛,障害がある。

【4】

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