診断のポイント
【1】骨折も含めて外傷の程度にそぐわない激しい疼痛。
【2】罹患筋を他動的に伸展させたときの激痛(stretch pain)。
【3】区画内にある筋の進行性麻痺。
【4】区画内にある神経の進行性障害。
【5】罹患筋区画の異常な緊張。
緊急対応の判断基準
【1】四肢骨折時において当疾患が疑われるとき:応急処置的に骨折部の安定性確保を目的に外固定を行う。
【2】すでに処置を受けて搬送されてきた場合:区画内圧を上昇させている原因(ギプス固定,不良肢位,無理な創部閉鎖など)がある場合には,その原因を除去する。
【3】その他,再灌流症候群など骨折を伴わない場合:自施設での対応が困難な場合には直ちに高次医療機関に搬送する。
症候の診かた
特徴的な臨床症状(6Ps)を見逃さないことが大切である。
【1】Pain(疼痛):進行性の激しい疼痛で,障害された区画内の筋を多動的に伸展させると疼痛が増強される(stre