診療支援
診断

乳幼児化膿性股関節炎
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Septic Arthritis of the Hip in Neonates and Infants
髙村 和幸
(福岡市立こども病院・運動器センター長)

診断のポイント

【1】発熱,股関節痛,鼠径部の腫脹,股関節の運動減少。

【2】白血球数増加,CRP陽性,血沈の亢進。

【3】造影MRI所見。

症候の診かた

【1】発熱:ほとんどの症例で認められ,乳児では発熱がないと診断が遅れる可能性がある。新生児では特に敗血症症状を呈した場合,四肢の関節に注意が向かなくなることがあり注意を要する。

【2】歩行困難:歩行開始後の幼児で歩行困難が認められ,股関節の疼痛によるものと考えられる。

【3】鼠径部の腫脹:乳児でおむつを替えるときなどに気づかれる場合があるが,視診で腫脹が確認できる場合は,かなり病状が進行していると考えられる。

【4】股関節の運動減少:罹患関節の関節液貯留による疼痛が主な原因と考えられ,進行すれば仮性麻痺を呈する。

検査所見とその読みかた

【1】白血球,CRP,血沈:細菌による炎症反応のため,白血球は増加と核の左方移動が認められ,CRPの陽性化,血沈の亢進が

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