最近は発症機序が,先天性よりむしろ発育に伴い脱臼することからDDHを用いる。
診断のポイント
2次検診への紹介基準として以下のポイントを記す。
【1】大腿皮膚溝または鼠径皮膚溝の非対称。
【2】股関節開排制限(開排角度70度以下)。
【3】家族歴:血縁者の股関節疾患。
【4】女児。
【5】骨盤位分娩(帝王切開時の肢位を含む)。
症候の診かた
【1】大腿皮膚溝または鼠径皮膚溝の非対称(図1a図)。
【2】脚長差(Allisサイン):仰臥位で股関節90度屈曲,膝関節最大屈曲位で大腿部を合わせ,膝の高さをチェックする。脱臼側の脚短縮を認める(図1b図)。
【3】伸縮テスト(telescopingテスト):Allisサインの肢位で,大腿部を押したり引いたりすると脱臼側は異常な動きを感じる。
【4】股関節開排制限:股関節と膝関節を90度屈曲し無理なく開く。多くは向き癖と反対側の股関節にみられる。男児では,正常でも開排制