診療支援
診断

大腿骨頭すべり症
Slipped Capital Femoral Epiphysis (SCFE)
髙木 理彰
(山形大学教授・整形外科学講座)

診断のポイント

【1】思春期前が好発年齢(男児10~15歳,女児9~13歳)。

【2】性別では男児,体型では肥満児に多い。

【3】症状発現は股関節とは限らない。

【4】股関節単純X線撮影の左右比較が大切である。

症候の診かた

 病型と発症時期で3つに大別される。

【1】安定型(stable type)/発症早期

❶荷重時,股関節から大腿,膝にかけての疼痛や違和感。

❷跛行

立脚期の短い疼痛回避性歩行となる。

痛みを訴えない場合もある。

❸すべりの程度に応じた股関節内旋・屈曲制限の出現。

❹股関節伸展は制限されない。

❺約半数は股関節痛を訴えないことに注意する。

❻外傷の既往がないことを確認する。

【2】安定型(stable type)/亜急性期から慢性期

❶すべりの程度と関節適合不全による多彩な症状が特徴。

❷関節不適合による股関節屈曲時の疼痛。

❸大腿骨寛骨臼衝突(femoro-acetabular impingemen

関連リンク

この記事は医学書院IDユーザー(会員)限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

ログイン
icon up
あなたは医療従事者ですか?