母斑症〔Phacomatosis(neurocutaneous syndrome)〕とは,皮膚の母斑と同時に他の器官の病変を有する疾患群で,代表的な疾患として,結節性硬化症(tuberous sclerosis complex:TSC),神経線維腫症Ⅰ型(neurofibromatosis type1:NF1)(Recklinghausen病)や伊藤白斑などがある。頻度はすべての母斑症を合わせたもの。
診断のポイント
【1】TSC:さまざまな時期に,全身にさまざまな症状が出現する。
❶胎生期の多発性心横紋筋腫,生下時からの3個以上の葉状白斑,乳児期の点頭てんかん,乳幼児期からの発達障害,自閉症スペクトラム障害,顔面の血管線維腫の多発,小児期以降の腎の血管線維腫,シャグリンパッチ,爪の多発性線維腫など(図1図)。
❷女性の場合は成人期からのリンパ脈管筋腫症(lymphangioleiomyomat
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