診断のポイント
【1】思春期の男女の顔面,前胸部,上背部に好発する。
【2】面皰(白色面皰,黒色面皰)の存在が最も重要である。
【3】面皰,紅色丘疹,膿疱が混在する。
症候の診かた
【1】尋常性痤瘡(にきび)の初発疹は面皰である。
【2】面皰とは毛孔が角質でつまった非炎症性皮疹である。
【3】面皰には毛孔が閉鎖している白色面皰(閉鎖面皰)と毛孔が開いている黒色面皰(開放面皰)の2種類がある(図1図)。
【4】面皰は炎症性皮疹である紅色丘疹,膿疱へと進展する(図2図)。
【5】尋常性痤瘡では面皰,紅色丘疹,膿疱の新旧の皮疹が混在する。
【6】時に囊腫,結節,皮下膿瘍,瘢痕(萎縮性,肥厚性)がみられる。
確定診断の決め手
臨床診断で毛孔に一致した面皰の存在が重要である。
誤診しやすい疾患との鑑別ポイント
【1】集簇性痤瘡
❶男性に多く,高年齢で罹病期間が長い。
❷前胸部,背部,項部に囊腫,結節,肥厚性瘢痕を形成する。時に皮