診断のポイント
【1】50歳以上,男性>女性。
【2】眼底黄斑部の加齢性変化に基づく萎縮/滲出による変性。
【3】自覚症状は変視,中心暗点,視力低下。
【4】滲出型では脈絡膜新生血管(choroidal neovascularization:CNV)の証明。
【5】萎縮型では地図状萎縮の証明。
症候の診かた
【1】高齢者の変視,中心暗点には本症の鑑別が必須。
【2】視力低下の進行があり,黄斑部に地図状萎縮があれば萎縮型加齢黄斑変性(萎縮型AMD),滲出・出血があれば滲出型AMDをまず考える(図1図)。
【3】黄斑下血腫:突然の高度視力低下をきたす。特殊病型であるポリープ状脈絡膜血管症(polypoidal choroidal vasculopathy:PCV)の30%は,黄斑下血腫で発症する。
【4】加齢(高齢ほど頻度上昇),男性,喫煙歴,遺伝歴,不健康なライフスタイル(欧米型食生活,肥満),高血圧/心血管疾患などの背景因子の聴取も重要。
検査所見とその読みかた
【1】眼底検査
❶黄斑部(中心窩を中心とする直径6mm以内)にドルーゼン形成(図2図),地図状萎縮(萎縮型AMD,図3図),網膜下出血,漿液性網膜剝離,網膜浮腫(図4図),網膜色素上皮(retinal pigment epithelium:RPE)剝離,網膜下滲出斑/線維結合織(滲出型)。
❷特殊病型:PCVでは橙赤色隆起病巣(図5図),網膜血管腫状増殖(retinal angiomatous proliferation:RAP)では軟性ドルーゼン,網状偽ドルーゼンの併存が重要(図2図,6図)。
【2】フルオレセイン蛍光眼底造影(FA):萎縮型では地図状萎縮部のwindow defect,滲出型ではCNVや網膜内新生血管からの蛍光漏出が証明(図4図,図5図,図6図)。
【3】インドシアニングリーン蛍光眼底造影(IA