診療支援
診断

口蓋扁桃炎
Palatine Tonsillitis
原渕 保明
(旭川医科大学教授・耳鼻咽喉科・頭頸部外科)

診断のポイント

【1】発熱・咽頭痛・嚥下痛を主訴とする。

【2】口蓋扁桃陰窩に膿栓や白苔の付着をみる。

【3】重症多発頸部リンパ節腫脹を伴う際は,血液検査を施行する。肝機能障害が存在すればEpstein-Barr(EB)ウイルス感染による伝染性単核球症を疑う。

【4】咽頭痛のみでなく開口障害・構音障害・呼吸苦を訴える場合は扁桃周囲膿瘍や急性喉頭蓋炎を疑う。

【5】「急性咽頭・扁桃炎診療ガイドライン(案)」(化学療法の領域 22:418-421,2006)を参考にする。

緊急対応の判断基準

【1】急性扁桃炎のみであれば,ICU,CCUなどへの移送や緊急手術を要することはない。

【2】咽頭痛のみでなく開口障害・構音障害・呼吸苦を訴える場合は,扁桃周囲膿瘍や急性喉頭蓋炎への進展を疑い,耳鼻咽喉科専門医の常勤している施設へ転送すべきである。

【3】まれではあるが,EBウイルスやサイトメガロウイルスによる伝染性単核球

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