診療支援
診断

声帯麻痺
Vocal Fold Paralysis
平野 滋
(京都府立医科大学教授・耳鼻咽喉科・頭頸部外科学)

診断のポイント

【1】喉頭内視鏡検査で声帯の運動障害(一側性,両側性)を認める(図1)。

【2】声帯に器質的異常(腫瘍など)を認めない。

緊急対応の判断基準

【1】両側麻痺を起こすと呼吸困難をきたすことが多く,気道確保を要することがある。

【2】喘鳴をきたしている場合は専門医へ転送すべきである。

症候の診かた

【1】嗄声

❶最も頻度が高い。

❷通常一側性麻痺で起こる。

❸両側性麻痺の場合は嗄声は軽度のことが多い。

【2】誤嚥

❶一側性麻痺ではまれ。

❷両側性麻痺で時折発生する。

【3】呼吸困難

❶一側性麻痺ではまれ。

❷両側性麻痺で高頻度に発生する。

検査所見とその読みかた

【1】喉頭内視鏡検査

❶声帯は吸気時に外転し声門が開き,発声時に声帯が内転し声門が閉鎖し,呼気によって声帯振動が起こり,声になる。

❷声帯麻痺の場合,声帯の内外転が起こらず一定の位置に固定する。この所見を見ればおおむね声帯麻痺と診断できるが,後述する披裂軟

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