診断のポイント
【1】片側だけの鼻閉,鼻漏,片側だけの副鼻腔炎。
【2】頻回あるいは大量の鼻出血。
【3】顔面・上歯肉などの腫脹・疼痛。
【4】眼球突出,流涙,眼球運動障害,複視などの眼の症状。
【5】さまざまなタイプの悪性腫瘍が発生するので,年齢,性別で判断しない。
緊急対応の判断基準
【1】鼻出血が止まらないときは,耳鼻咽喉科医の診察・処置が必要。
【2】鼻・副鼻腔癌を疑った場合はCT,MRIなどの検査ができる施設の耳鼻咽喉科に紹介する。
症候の診かた
【1】前鼻鏡検査
❶腫瘍が鼻腔の前方に存在する場合は確認することができる。
❷軟性ファイバースコピーによる内視鏡検査を行えば,鼻腔から上咽頭まで観察でき,この検査だけで癌を強く疑うことが可能な場合もある。
【2】顔貌の観察:頰部や外鼻の腫脹・変形がないかを観察する。また,皮膚への浸潤がある場合には皮膚の発赤がみられる。
【3】眼の検査:眼球突出,流涙の有無,眼球運