診断のポイント
【1】肉眼的あるいは顕微鏡的血尿。
【2】血尿の原因となる他疾患の否定。
緊急対応の判断基準
特発性腎出血で緊急対応が必要とされることはきわめてまれである。
【1】緊急対応が必要とされるような血尿を認めた場合,まずは悪性腫瘍などの原因となる他疾患の診断を早急に行う必要がある。
【2】自施設で診断が困難な場合には,高次医療機関へ搬送する。転院が適切と判断した場合,詳細な検査は不要。
症候の診かた
【1】血尿:血尿の訴えがあった場合でも,肉眼的か顕微鏡的か必ず確認する。
【2】他疾患を疑わせる症状の確認
❶本疾患は除外診断であり,他疾患の有無を確認する必要がある。他の血尿の原因となるような疾患に伴う症状の有無を確認すべきである。
❷発熱,疼痛(背部痛,側腹部痛),排尿時痛,体重減少などは,患者から訴えがない場合でも確認する必要がある。
検査所見とその読みかた
【1】尿沈渣:肉眼的血尿の訴えがあった症例