診断のポイント
【1】主に月経痛や慢性痛などの疼痛や不妊などを主訴とすることが多い。
【2】痛みなどの症状がなくても,子宮内膜症性卵巣囊胞(いわゆるチョコレート囊胞)を認めることがある。
【3】内診上,子宮の可動性の制限,子宮後屈,Douglas窩,仙骨子宮靱帯の硬結や圧痛,卵巣の腫大を高率に認める。
【4】エストロゲン依存性の疾患のため,主に初経から閉経までの間で有症状であり,月経のある期間において,徐々に症状が進行,増悪する。
【5】確定診断は,腹腔鏡や開腹手術での腹腔内所見で行うが,月経に伴う症状や内診所見,超音波検査,MRIの結果から臨床子宮内膜症として取り扱うことも多い。
緊急対応の判断基準
【1】時に月経痛が重度となり,激痛のために緊急搬送される場合がある。
【2】卵巣囊胞の破裂や感染のために急性腹症を呈する場合がある。緊急手術が必要となることがある。
症候の診かた
【1】疼痛:月経痛,月経時以外