診断のポイント
【1】妊娠初期に血液型(ABO,Rh血液型)検査と不規則抗体スクリーニング(間接Coombs試験など)を行い,不規則抗体が陽性の場合には血液型不適合妊娠として扱う。
【2】妊婦がRh(D)陰性で,パートナーがRh(D)陽性の場合にも血液型不適合妊娠として扱う。
【3】不規則抗体が検出された場合,どの抗原に対する抗体であるか(抗体の特異性)を同定するとともに,その抗体がIgG抗体かIgM抗体かの鑑別と抗体価の測定を行う。
【4】IgG抗体は経胎盤的に能動輸送されるため抗体価の測定を4週に1回程度行い,抗体価の上昇がないことを確認する。
【5】不規則抗体の種類(特異性)によって,胎児・新生児溶血性疾患を引き起こす可能性は異なり(表1図),それぞれの抗体の特色を知ったうえで不規則抗体陽性の妊婦は周産期管理されるべきである。
検査所見とその読みかた
【1】抗体特異性の同定
❶IgM抗体:胎盤通過性