診断のポイント
【1】ハイリスク児(仮死出生児,早産・低出生体重児)。
【2】四肢の異常運動。
【3】バイタルサイン(心拍数,血圧)の異常な変動,無呼吸発作。
緊急対応の判断基準
新生児発作の原因は重篤なものが多い。初期対応を行ったのちに高次医療機関へ搬送する。
症候の診かた
【1】四肢の異常運動
❶四肢の間代性,強直性の動き,下肢のペダルこぎ様運動,上肢のクロール様運動など通常では観察できない運動を認める。
❷しかしながら,それらの異常運動は必ずしも新生児発作でないことに注意が必要である。
【2】バイタルサインの異常:不自然な心拍数の変動,血圧の変動(動脈ラインを用いた観血的連続計測の場合)。
検査所見とその読みかた
【1】スクリーニング検査:新生児発作を疑った場合は,血算,電解質,血糖,アンモニア,乳酸,ピルビン酸,血液ガス分析,凝固検査,髄液検査を行い,新生児発作の原因検索を行う。
【2】頭部画像検査
❶ベッドサイドで簡便にかつ非侵襲的に行うことができる頭部超音波検査にて,構造異常や出血などをスクリーニングする。
❷全身状態が悪くなく検査室への移動が可能ならば頭部MRI検査を施行する。
【3】電気生理学的検査:脳波検査,amplitude-integrated electroencephalogram(aEEG)を行う。
❶Subclinical seizures:脳波で発作波を認めるが,臨床的には無症状の発作が存在すること。
確定診断の決め手
脳波検査またはaEEG。
誤診しやすい疾患との鑑別ポイント
【1】新生児の正常の運動
❶新生児発作と紛らわしい運動として驚愕様運動,モロー反射,伸び,ジストニア,アテトーゼ,jitterinessなどが挙げられるが,臨床症状からは新生児発作との区別が困難なことが多い。
❷臨床的には四肢の反復性律動性筋収縮のjitterinessが新生児発作と最も混同しやすい。