診断のポイント
【1】頭頸部外傷,骨折,神経損傷の3つの観点から診察する。
【2】頭頸部の腫瘤・腫脹の有無。
【3】四肢の自発運動の左右差の有無。
【4】啼泣時の顔面非対称の有無。
【5】手掌把握反射・Moro反射の有無。
緊急対応の判断基準
【1】帽状腱膜下血腫:出血が徐々に広がり,生後数時間たってから出血性ショックに陥ることがある。その場合には緊急対応が必要となる。
【2】頭蓋内出血,頭蓋骨骨折:経過観察でよい場合が多いが,midline siftをきたすような大量出血の場合には緊急対応が必要となる。
症候の診かた
【1】分娩経過の確認:吸引分娩,鉗子分娩,肩甲難産,骨盤位分娩,早産での分娩の有無などを確認する。これらの分娩では分娩外傷の頻度が高くなるからである。
【2】頭頸部腫瘤:産瘤,頭血腫,帽状腱膜下血腫などが鑑別診断として挙げられる。
【3】四肢の自発運動の左右差:長管骨骨折の可能性がある。上肢の場合