診療支援
診断

特発性新生児肝炎(INH)
††
Idiopathic Neonatal Hepatitis
乾 あやの
(済生会横浜市東部病院・小児肝臓消化器科部長)

診断のポイント

【1】生後1か月以内に徐々に始まる肝内胆汁うっ滞(cholestasis)を主徴とする肝炎で,病理組織学的には巨細胞性肝炎の像(giant cell hepatitis)を特徴とする原因不明の疾患。

【2】まず除外診断が重要であり,除外すべき主な疾患を表1にまとめた。

【3】現在では除外診断しても診断ができないものをINHとよんでいる。

【4】低出生体重児,男児にやや多い。

症候の診かた

【1】生後1か月頃から黄疸や便尿色の異常に気付かれ,比較的早期から脂溶性ビタミンK・Dの欠乏がみられる。時にビタミンK欠乏による頭蓋内出血で発症することもある。

【2】体重増加不良(低血糖は低出生体重児にしばしばみられる),肝腫大,脾腫がみられる。

【3】直接ビリルビン高値,トランスアミナーゼ上昇,血清総胆汁酸高値,γ-GTP高値などがみられる。

検査所見とその読みかた

【1】血清直接ビリルビン値の上昇,肝

関連リンク

この記事は医学書院IDユーザー(会員)限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

ログイン
icon up
あなたは医療従事者ですか?