診断のポイント
【1】生後1か月以内に徐々に始まる肝内胆汁うっ滞(cholestasis)を主徴とする肝炎で,病理組織学的には巨細胞性肝炎の像(giant cell hepatitis)を特徴とする原因不明の疾患。
【2】まず除外診断が重要であり,除外すべき主な疾患を表1図にまとめた。
【3】現在では除外診断しても診断ができないものをINHとよんでいる。
【4】低出生体重児,男児にやや多い。
症候の診かた
【1】生後1か月頃から黄疸や便尿色の異常に気付かれ,比較的早期から脂溶性ビタミンK・Dの欠乏がみられる。時にビタミンK欠乏による頭蓋内出血で発症することもある。
【2】体重増加不良(低血糖は低出生体重児にしばしばみられる),肝腫大,脾腫がみられる。
【3】直接ビリルビン高値,トランスアミナーゼ上昇,血清総胆汁酸高値,γ-GTP高値などがみられる。
検査所見とその読みかた
【1】血清直接ビリルビン値の上昇,肝
関連リンク
- 臨床検査データブック 2023-2024/膵型〔P型〕アミラーゼ [保] 48点
- 臨床検査データブック 2023-2024/膵ホスホリパーゼA2〔膵PLA2〕 [保] 204点
- 臨床検査データブック 2023-2024/直接ビリルビン優位の増加,間接ビリルビン優位の増加
- 臨床検査データブック 2023-2024/α1-アンチトリプシン〔α1-AT〕 [保] 80点
- 臨床検査データブック 2023-2024/体質性黄疸
- 臨床検査データブック 2023-2024/肝硬変(LC)
- 臨床検査データブック 2023-2024/原発性胆汁性胆管炎(PBC)
- 新臨床内科学 第10版/(4)未分化肉腫
- 新臨床内科学 第10版/3 X連鎖リンパ増殖症候群
- 今日の小児治療指針 第17版/慢性肝内胆汁うっ滞症