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造血器腫瘍診療ガイドライン2023年版
緊急処置
過粘稠度症候群による眼底出血,視力障害,意識障害などの症状が出現している状況では,迅速な原因の精査と,血漿交換(高IgMの場合二重膜ろ過血漿交換)を含む血液粘稠度減少のための緊急処置が必須である。
診断のチェックポイント
■定義
❶血液粘稠度上昇の原因は,血液蛋白の異常,血液細胞数の増加,毛細血管通過時の赤血球変形能の低下である。
❷血液粘稠度の上昇による血流遅滞が原因で細血管の脆弱性が高まり,粘膜出血や眼底出血などの出血症状や,循環不全に基づく視覚異常,末梢・中枢神経症状,心不全など臓器障害を呈するものを過粘稠度症候群と称する。
【1】病歴
❶過粘稠度症候群の典型的な症状は,視覚変化(網膜出血,乳頭浮腫),神経学的異常(けいれん,運動失調,脳出血),粘膜出血(歯肉出血,鼻出血)の3徴候である(表1図)。
❷病歴聴取として重要なのは,眼のかすみから失明