緊急処置
【1】経口摂取が可能なら,ブドウ糖10gを内服させる。砂糖の場合は2倍量の内服が必要だが,αグルコシダーゼ阻害薬を内服している患者では砂糖の即効性はないため原則ブドウ糖を使用する。
【2】経口摂取が不可能な場合は,20~50%ブドウ糖液20~40mLの静脈注射またはグルカゴン投与(点鼻,筋注)を行う。ただし,肝グリコーゲンが枯渇している栄養不良患者や糖原病患者へのグルカゴン投与は無効であるため,まずはブドウ糖液を使用する。高張ブドウ糖液の投与は静脈炎を生じうるため慎重に行う(点滴静注ではブドウ糖として0.5g/kg/時以下で投与)。
診断のチェックポイント
■定義:静脈血ブドウ糖濃度が70mg/dL未満のとき,または70mg/dL以上であっても発汗・動悸・振戦など低血糖に伴う自律神経症状がある際に低血糖症と診断する。
【1】病歴
❶低血糖症状(空腹感,眠気,動悸,発汗,振戦,記銘力の低下など