診断のチェックポイント
【1】病歴:めまい・ふらつきの病歴を聴取する。
❶いつからか
❷持続時間
❸きっかけの有無
❹反復の有無
❺随伴症状(聴覚やその他の脳神経症状)
❻脳神経症状を伴う症例では緊急を要する場合が多い。
【2】身体所見
❶注視眼振検査
●正面,左右30度,上下30度の視標を注視させ,眼振を観察する。
●定方向性眼振(Ⅰ度:図1a図,Ⅱ度:図1b図,Ⅲ度:図1c図)は末梢前庭障害の急性期によくみられる。
●左右注視方向性眼振(図1d図:右注視時は右向き,左注視時は左向き眼振:Bruns眼振)は脳幹の障害を示唆する。大打性(この場合右)が患側であることが多い。
●振子様眼振(急速相と緩徐相の区別がつかない)は先天性眼振や中枢性の障害で認める。
●その他,注視の保持の障害やsaccadic intrusion(急速眼球運動が左右に連発する),square-wave jerk(inter-saccadic