診断のチェックポイント
■定義:鼻閉は鼻粘膜の腫脹,鼻茸,鼻漏によって鼻腔通気度が低下して生じる。しかし,鼻腔通気度が低下しても患者の症状の「鼻閉感」とは必ずしも一致しない場合もある。
【1】病歴
❶いつから鼻閉が出現しているか:季節性である場合には花粉症,アレルギー性鼻炎があり,持続性の場合には通年性アレルギー性鼻炎,急性・慢性鼻副鼻腔炎,鼻茸症などの腫瘤性病変が考えられる。
❷片側性か両側性か,左右交代制に出現するか:一般に鼻閉は両側性の場合が多いが,片側性では鼻茸などを伴う鼻副鼻腔局所病変を考える。下鼻甲介粘膜にはnasal cycleがあり,数時間ごとに左右粘膜が交代性腫脹する。
❸鼻閉を伴う鼻副鼻腔疾患で生じる症状を聞く:黄色あるいは透明な鼻汁,くしゃみ,咳,耳閉感,においがしないなど。
【2】身体所見:通常,鼻閉をきたす場合の身体所見の異常は,頸部腫脹をきたしていないか(鼻副鼻腔癌の頸部転