診療支援
診断

味覚障害
Taste Disorder
三輪 高喜
(金沢医科大学名誉教授)

診断のチェックポイント

定義

❶味覚の量的あるいは質的な異常を指す。量的味覚障害には,食物の味が薄くあるいは弱く感じる味覚低下と,全く味を感じない味覚脱失が含まれる。

❷甘味や苦味など一部の味を感じないあるいは一部の味しか感じない状態を解離性味覚障害とよび,量的障害に含まれる。

❸質的味覚障害とは何も口に含んでいないのに味がする自発性異常味覚と,口に含んだ味が本来の味と異なって感じる異味症,何を食べても不味い悪味症を指す。

【1】病歴

❶味覚障害の状態について上記のどれに近いのか,いつからあるのか,発症の契機。

❷口腔乾燥,口腔内疼痛の有無,頭部外傷の既往はないか,他の全身疾患,服薬中の薬物,嗅覚障害の有無,喫煙歴,精神疾患の有無,中耳手術歴。

【2】身体所見:口腔内の観察。舌の乾燥,発赤,腫脹,舌苔,舌乳頭の萎縮,歯牙の状態,貧血の有無を観察する。

【3】検査

❶血液検査:一般検査,血清亜鉛,鉄,銅,ビタ

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