診断のチェックポイント
■定義
❶正常歩行における歩行周期は遊脚相と立脚相の2相に分けることができる。片側の踵が接地してからもう一方の踵が接地するまでが歩行の1周期である。
❷遊脚相は加速期,遊脚中期,減速期に分類され,立脚相は踵接地,足底接地,立脚中期,踵離地,足趾離地に分類される。
❸遊脚と立脚の比はおよそ2:3であり,両脚で支持する時期は遊脚相と立脚相の移行期にあって,両脚支持期は1歩行周期の1/5である。
❹跛行とは神経や血管などの疾患,外傷,奇形などが原因で上記の正常歩行ができない状態で,歩行周期に乱れが生じ,歩容に異常をきたしている状態をいう。
【1】病態
❶疼痛回避性跛行:疼痛を避けようとして立脚期を回避しようとし,患肢の荷重時間を短くするために生じる。また,急激な動作による疼痛を避けるために,患側の接地時間を長くする滞留跛行も疼痛回避性跛行の一種である。炎症性疾患や外傷の急性期に認められ