診療支援
診断

爪の色調異常
Color Abnormalities of the Nail
岸 晶子
(虎の門病院・皮膚科医長(東京))

診断のチェックポイント

 爪の色調変化は,爪甲の質の変化や肥厚,爪甲へのメラニンの沈着,爪甲と爪床との接着状態,爪甲下出血,爪床の色調変化など,さまざまな原因により生じる。

❶白色調の爪

爪真菌症:爪白癬,爪カンジダ症。

爪母や爪床の角化異常:爪乾癬。

爪甲の爪床からの剝離(爪甲剝離):全身性疾患(甲状腺機能亢進症),皮膚疾患(乾癬,扁平苔癬),薬剤性(抗悪性腫瘍薬),局所性(外傷性,真菌,爪甲下腫瘍)。

爪床の変化の反映:蒼白色(チアノーゼ,貧血,Raynaud現象),Muehrcke爪(低アルブミン血症で爪甲に横走する白線が入る),Terry爪(肝硬変で爪甲全体がすりガラス様に白くみえる),半々爪(腎不全で爪甲近位側が白色,遠位部が赤褐色を呈する)。

❷褐色~黒色調の爪

爪甲内のメラニン色素の増加:悪性黒色腫,爪甲メラノーシス,薬剤性(抗悪性腫瘍薬)。

爪甲下出血:外傷や長時間の歩行後,薬剤

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