緊急処置
【1】急性心筋梗塞に伴う機械的合併症に注意する。急性心筋梗塞後の心室中隔穿孔は,心雑音が診断の契機となる。搬入時から治療前後の経過中も新たな雑音の出現に注意を払い,バイタルサインが不安定な場合にはもちろん,疑わしい症状や所見がある場合には,積極的に鑑別を進める。乳頭筋断裂では急速な左房圧上昇のため逆流量に比し雑音が小さく,診断が難しい場合があるため注意する(silent MR)。
【2】発熱を主訴に受診する患者で心雑音を聴取した場合には,感染性心内膜炎を鑑別にあげる。発症率は高くないが,いったん発症すると,心不全,脳梗塞など多彩な合併症を起こし死に至る危険がある。抗菌薬投与前に血液培養を採取する。
診断のチェックポイント
■定義
❶心臓の収縮開始時に房室弁(僧帽弁と三尖弁)が閉鎖し発生する心音をⅠ音,拡張開始時に半月弁(大動脈弁と肺動脈弁)が閉鎖し発生する心音をⅡ音といい,これらは正常心音