診療支援
診断

喀痰
Sputum
金子 猛
(横浜市立大学大学院主任教授・呼吸器病学)

GL

咳嗽・喀痰の診療ガイドライン2019(2024年改訂予定)

診断のチェックポイント

定義

❶喀痰とは,下気道から気道外に喀出された気道分泌物の総称である。したがって,上気道,つまり鼻副鼻腔由来の分泌物が後鼻漏となり,口腔内から喀出されたものは喀痰とはよばない。なお,気道分泌物には,気道の分泌細胞,すなわち粘膜下腺の粘液細胞と漿液細胞からの分泌物,そして気道上皮の杯細胞からの分泌物,また気道粘膜の微小血管から漏出・滲出した血漿成分,さらに気道上皮細胞から分泌される水分が含まれている。

❷喀痰の存在は異常であり,気道炎症などの気道分泌を亢進させる病態が存在していることを示唆する。下気道分泌の異常な増加が粘液線毛輸送系の処理能力を超えた場合に,気道内に貯留した分泌物が咳嗽により気道外に排除されるという生体防御反応の結果として喀痰が生じる。

【1】病歴

❶一般的に,喀痰を主訴として受診する場合よりも,咳

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