緊急処置
【1】異常に深く大きな呼吸が,規則正しく持続しているとKussmaul呼吸を疑う。血糖値,尿中ケトン体,血中ケトン体分画,腎機能,動脈血ガスを調べ,糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)と診断できれば,適切な輸液,インスリン療法,電解質の補正などが必要である。
【2】無呼吸状態から急に大きな呼吸や不規則な呼吸を繰り返しているならば,Biot呼吸が疑われる。頭蓋内圧亢進や脳幹機能障害の疑いがあり,緊急対応が必要である。
診断のチェックポイント
■定義
❶呼吸リズムの異常は,呼吸数,呼吸振幅の変動,呼吸周期の変化によって決定される〔呼吸器内科 34(特別増刊号):49-54,2018〕。
❷診断のため1分間の呼吸数を測定する。成人の正常呼吸数は安静覚醒時で12~20回/分である。平均呼吸周期は,約4秒である。呼吸の深さ(1回換気量の呼吸振幅)と呼吸周期を視診で観察する。正常ならば1回換気量は約500