診療支援
診断

肺音の異常
Abnormal Lung Sounds
皿谷 健
(杏林大学教授・呼吸器内科学)

診断のチェックポイント

定義

❶正常な呼吸音には気管呼吸音,気管支呼吸音,肺胞呼吸音がある(図1)。

前2者の吸気および呼気時の周波数は高く,特に気管呼吸音は吸気,呼気ともに荒々しい音を聴取できる。

気管呼吸音は頸部で,気管支呼吸音は胸骨柄結合のある気管分岐部周囲で,肺野末梢では肺胞呼吸音を聴取できる。

肺胞呼吸音は吸気で聴取され,呼気ではほぼ聴取されない“そよ風”のような低音である。

❷呼吸音の異常では,全肺野で呼吸音が減弱するCOPD,片側で呼吸音が減弱または消失する気胸,胸水貯留,大葉性肺炎の器質化,呼気延長を伴う気管支喘息やCOPDに注意する。

❸副雑音にはラ音と胸膜摩擦音があり,ラ音は断続性ラ音,連続性ラ音に分類される(図2)。

断続性ラ音の水泡音は低周波(250~500Hz)のゴロゴロ音,捻髪音は高周波(500~1,000Hz)のパチパチ音で,連続性ラ音は高周波(400Hz以上)

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