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急性腹症診療ガイドライン2015
緊急処置
初期診療においては,バイタルサインのモニター,輸液ルートの確保をすみやかに行い,同時並行で診断を進める。ショックをきたしている場合には,中心静脈カテーテル留置を行う。
診断のチェックポイント
■定義:急性腹症に明確な定義はないが,「急性腹症診療ガイドライン2015」では,急激に発症した腹痛のなかで緊急手術など迅速な対応を要する腹部疾患群とされている。
【1】病歴:急性腹症の鑑別診断で重要となる病歴のチェック項目を下記に示す。
❶腹痛の部位
❷腹痛箇所の移動の有無
❸急激な発症
❹痛みの強さの変動
❺随伴症状(嘔吐,下痢,便秘,吐血,下血,など)の有無
❻数日前~直近の食事摂取の内容
❼数日前~直近の排便状況の確認
❽心疾患,動脈硬化性疾患の有無
❾糖尿病の有無
❿肝胆道系疾患の有無(胆囊結石症を含む)
⓫腹部手術歴
⓬腹部外傷の既往(手術歴を問わず)
⓭(若年女性の場合)婦人