緊急処置
以下にあげる疾患は必ずしも腹部腫瘤としてではなく,腹部膨隆として症状が出てくることがあるが,早期に除外・緊急処置が必要な疾患の代表となるため注意を要する。
1)腹部大動脈瘤破裂(切迫破裂)
2)腸管虚血
3)腸捻転(S状結腸軸捻転症など)
4)肝癌破裂
5)異所性妊娠
6)卵巣茎捻転
診断のチェックポイント
■定義
❶腹部腫瘤とは腹部に触知された病的意義をもつ腫瘤(しこり)と定義され,病因として,炎症・腫瘍・囊胞などがある。腫瘤の局在は大きく3部位(腹壁・腹腔内・後腹膜)に大別され,病的意義を有するもの,および有さないものが存在する。
❷実際の臨床の場では腹部腫瘤を主訴として来院する患者は1~3%と少なく,むしろ腹痛,腹部膨隆,腹部膨満感,倦怠感,発熱,食欲不振,黄疸などの随伴症状により来院し,腫瘤が発見されることが多い。
【1】病歴
❶問診でのポイント
●腹部腫瘤を自覚した時期(急性か慢性的かを推測する