診断のチェックポイント
■定義
❶一般に1日3,000mL以上の尿量を「多尿」と定義する。総尿量の増加とは関連しない可能性がある,「頻尿」や「夜間尿」の症状とひとまず区別する必要がある。
❷一般に排尿回数が日中8回以上,夜間2回以上に増加した場合を「頻尿」,排尿のために夜間覚醒する場合を「夜間尿」,就寝から起床までの尿量が1日尿量の35%以上の場合を「夜間多尿」という。これらはしばしば「多尿」に随伴する。
【1】病歴:病態の把握の鍵となる情報を示す。
❶自覚症状
●口渇:血漿浸透圧の上昇〔高血糖,浸透圧物質(グリセロール,マンニトール,尿素窒素など)の蓄積,高ナトリウム血症など〕は口渇中枢の刺激を考える。
●不眠:夜間尿,夜間多尿,夜間頻尿が原因となりうる。
●冷水嗜好:中枢性尿崩症で特徴的にみられることが多い。
●排尿時間・回数・尿量の異常:夜間尿は腎での尿濃縮力障害の症候となる。心因性多飲症では一般に夜