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血尿診断ガイドライン2023
緊急処置
【1】貧血を伴う肉眼的血尿が認められた際には,輸血を準備するとともに,原因精査を行い,必要に応じて止血のための対応をする。
【2】腎臓専門医への早期の紹介が勧められるのは,肉眼的血尿を呈する,あるいは既往がある患者のうち,コーラ色の褐色尿,高度尿蛋白および/または進行性の腎機能低下,尿路感染症を疑う所見を欠く発熱,呼吸器症状や皮膚症状など他の全身症状,および腎後性因子が否定される腎機能障害が認められる場合である。
診断のチェックポイント
❶顕微鏡的血尿の場合
●尿試験紙法で潜血陽性となった場合,尿沈渣法で赤血球の有無を確認する。
●血尿と合わせて蛋白尿や細胞円柱がみられる場合,血清クレアチニン値に異常がみられる場合などは腎炎・腎症を疑う。
●腹部超音波検査は患者侵襲が少なく,尿路結石の検出,腎癌や膀胱腫瘍のスクリーニングに使用される。
●尿路上皮癌の危険因子(後述