頻度
あまりみない
GL
熱傷診療ガイドライン(改訂第3版)(2021)
診断のポイント
【1】熱傷面積が体表面積の30%以上に及ぶものを広範囲熱傷とよぶ。広範囲熱傷患者の救命には厳密な呼吸循環管理に加えて連日の処置や複数回の手術ならびに感染管理,栄養管理などきわめて多大な医療資源を必要とする。そのため,広範囲熱傷の治療は救命救急センターやそれに準じる専門施設に限られているのが現状である。
【2】熱傷の診断自体はきわめて容易であるが,専門施設に転送するための重症度判定が重要である。
症候の診かた
【1】まず受傷原因が火焔によるものか,高温液体によるものかによって重症度が変わりうる。総じて火焔熱傷のほうが熱傷深度が深く重症である。また受傷場所が屋内であれば気道熱傷や一酸化炭素中毒の合併を,消火などで汚染水に曝露された場合はエロモナス(Aeromonas)属などの感染の合併を考慮する。
【2】熱傷の重症度判定は