頻度
情報なし(労働災害だけで年間約100例が感電によるものであり,家庭などを合わせた件数はさらに多いものと推測される)
診断のポイント
【1】電流による損傷である。
【2】電流が人体を通り抜ける際にジュール熱が起こす損傷のほか,体表面に生じるflash(閃光),arc(アーク放電),身につけている装飾品の発熱,着衣に着火することによる損傷・熱傷を含む。
緊急対応の判断基準
受傷直後に心肺停止,呼吸停止をきたしていれば心肺蘇生を行う。
症候の診かた
【1】通電による皮膚の熱傷,深部組織さらには内臓の損傷を生じうる。
【2】軟部組織損傷が強い場合,コンパートメント症候群や横紋筋融解症を引き起こす。
【3】皮膚,組織損傷の有無にかかわらず,通電による不整脈や呼吸停止,けいれんをきたすことがある。心臓,脳に通電した可能性がある。
【4】電源との接触点に皮膚熱傷,電流斑を生じている場合は電流の通過経路を推測できるが,