診断のポイント

【1】心囊液貯留によって閉塞性ショックに陥っているものを心タンポナーデという。

【2】心タンポナーデ以外のショックが合併している可能性も考慮する。

【3】急性(出血)か慢性(非出血性)かを意識する。

【4】超音波検査で心囊液貯留を確認する。

緊急対応の判断基準

【1】心タンポナーデは全例高次医療機関に緊急で転送すべき病態である。

【2】心タンポナーデと診断したら，転送前に可能であれば心囊穿刺やドレナージを行う。

【3】急性出血による心タンポナーデに対して心囊穿刺を施行すると，さらに出血が助長される可能性がある。

【4】高次医療機関では心囊穿刺に引き続いて剣状突起下心膜開窓術，開胸手術による心膜切開が必要になる。

【1】身体所見としてBeckの3徴(頸静脈怒張，血圧低下，心音減弱)が古典的に有名である。

【2】奇脈(吸気時に収縮期血圧が10mmHg以上低下する)，Kus