診療支援
診断

窒息
Asphyxia
竹内 一郎
(横浜市立大学主任教授・救急医学)

頻度

ときどきみる

【1】窒息は乳児と高齢者に多い疾患であり,脳虚血に陥ると数分で不可逆的障害となることから初期対応がきわめて重要である。医療者はその対応に精通しておく必要がある。

【2】乳児の死亡の原因で一番多いのが窒息で,その80%程度を占めていて,原因となるものは,あめ玉・タバコ・玩具・硬貨・ビー玉となっている。乳幼児は近くにあるものを口にいれる習性があることから,周囲の人がこれら誤嚥,窒息する危険がある物体をあらかじめ認識し,近くに置かないという予防策の実行が求められる。

【3】一方で,高齢者においても窒息の症例が増加している。厚生労働省の統計では,近年わが国での交通事故死亡者は漸減しているのに対して,窒息による死亡は年々増加している。わが国の人口の高齢化に伴い,老人保健施設や自宅での高齢者の窒息が増えている。脳梗塞後遺症による嚥下障害,意識障害があるような患者では食事介助にも注意を要する

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