頻度
自然気胸の発症率は10万人あたり男性で7.4人,女性で1.2人との報告(Am Rev Respir Dis 120: 1379-1382, 1979)や,10万人あたり22.7人で男性は女性の3.3倍の発症率であるとの報告(Thorax 70: 653-658, 2015)があるが,緊張性気胸に限った頻度に関する報告は一定しない。
診断のポイント
【1】症状:呼吸苦・胸痛・動悸・呼吸促迫など。
【2】身体所見:ショック,片側の胸部膨隆や頸静脈怒張,気管偏位,皮下気腫,呼吸音の減弱または消失,打診での鼓音,酸素化の低下。
【3】意識障害など自覚症状を訴えられない場合も,典型例では身体所見から診断可能。
緊急対応の判断基準
【1】疑えば全例緊急対応が必要である。
【2】14Gより太く,胸壁を貫通可能な十分な長さの穿刺針で脱気する(Can J Surg 53: 184-188, 2010)。
【3】基本的に