診療支援
診断

脊髄血管障害
Vascular Disorders of Spinal Cord
松本 省二
(藤田医科大学教授・脳卒中科)

頻度

情報なし

診断のポイント

【1】顔面を含まない麻痺(四肢麻痺,両側下肢麻痺,片麻痺),感覚障害,膀胱直腸障害,高度の頸部痛・腰背部痛。

【2】大動脈解離や,そのほかの大動脈の手術の術中・術後。

緊急対応の判断基準

【1】片麻痺の際には脳梗塞との鑑別が重要。

【2】脊髄硬膜外血腫症例を,脳梗塞と誤診し組織プラスミノーゲン活性化因子(tPA:tissue plasminogen activator)を投与すると重篤な転帰となる。

【3】脊髄硬膜外血腫は,緊急で外科的治療が必要。

症候の診かた

【1】脊髄の血管支配

❶前脊髄動脈は脊髄腹側を縦走し,途中,中心溝動脈を原則左右1本ずつ総数約200本分岐し,脊髄の腹側の3分の2の主に灰白質を栄養する。中心溝動脈1本の閉塞では脊髄の片側の梗塞が生じる。

❷脊髄背側には2本の後脊髄動脈があり,脊髄の背側3分の1を栄養する。2本の後脊髄動脈と前脊髄動脈の間には軟膜動脈叢が存

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