診療支援
診断

特発性正常圧水頭症
Idiopathic Normal Pressure Hydrocephalus(iNPH)
鮫島 直之
(東京共済病院・脳神経外科部長)

頻度

よくみる〔疫学調査では地域在住高齢者(65歳以上)の約1.6%(加重平均)(0.2%~3.7%の報告)〕

GL

特発性正常圧水頭症診療ガイドライン(第3版)(2020)

診断のポイント

 以下のすべての項目を満たした場合,特発性正常圧水頭症(iNPH)を疑う(possible iNPH)。その時点で,脳神経内科あるいは脳神経外科に紹介するのが望ましい。

【1】60歳台以降に発症。

【2】歩行障害,認知障害および排尿障害の1つ以上を認める。

【3】脳室拡大(Evans index>0.3)。

【4】他の神経疾患,非神経疾患で症候のすべてを説明しえない。

【5】脳室拡大をきたす可能性のある先行疾患(くも膜下出血,髄膜炎,頭部外傷,先天性水頭症,中脳水道狭窄など)がない。

症候の診かた

 歩行障害が最も多く(約90%),次いで認知障害が多い。3徴がそろうのは50~60%。

【1】歩行障害:歩幅が狭い,すり足,開脚,

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