頻度
あまりみない(全国的に梅毒の感染者が増加しており,2023年の日本国内の報告数は14,000例を超えて過去最高となった。神経梅毒が増加する可能性がある)
診断のポイント
【1】梅毒感染の既往とリスクの確認。
【2】頭痛,脳神経障害,けいれん,精神状態の変化(早期神経梅毒)。
【3】若年性脳梗塞。
【4】亜急性辺縁系脳炎。
【5】進行麻痺(後期神経梅毒):認知機能の低下と精神症状。
【6】梅毒血清学的検査が陽性。
【7】(脳脊)髄液検査で細胞数増多または蛋白上昇。
症候の診かた
【1】早期神経梅毒
❶無症候性髄膜炎:無症状だが血清と髄液の梅毒試験陽性で,髄液検査で軽度の細胞数増多がみられる。
❷髄膜型神経梅毒:頭痛,脳神経障害,けいれん,精神状態の変化を生じ,脳神経障害ではⅡ・Ⅷ・Ⅶ脳神経の頻度が高い。感染後2年以内に発症する。
❸髄膜血管型梅毒:広範に小血管から大血管系の脳動脈障害を生じる。感染後6~7年に発症
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