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消化性潰瘍診療ガイドライン2020(改訂第3版)
診断のポイント
【1】症状は上腹部痛が多く,胃潰瘍では食後に,十二指腸潰瘍では空腹時に出現する傾向がある。
【2】吐血・下血やめまい,ふらつき,動悸などの貧血症状で発症することがある。
【3】強い腹膜刺激症状を認める場合は穿孔合併を疑い,外科手術を検討する。
【4】原因の大部分はHelicobacter pylori(H. pylori)感染,あるいは非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)や低用量アスピリンなどの薬剤であり,内服歴を含めた病歴聴取が重要である。
【5】上部消化管内視鏡検査で潰瘍性病変を認める。胃癌やリンパ腫などを否定することが重要である。
緊急対応の判断基準
【1】腹部症状の有無にかかわらず,急激な貧血の進行や吐血・下血がみられる場合は内視鏡的止血術が可能な施設に搬送する。その際は輸液ラインを確保し,点滴補液や輸血により血行