今日の診療
診断

虚血性腸管障害
Ischemic Intestinal Disorder
立田 哲也
(弘前大学医学部附属病院講師・消化器血液免疫内科)

頻度

急性腹症の1%程度

 虚血性腸管障害は,血流障害が要因となり腸管の一過性または持続性の虚血から腸管壊死をきたす症候群である。可逆性の虚血性腸炎と,非可逆性の腸間膜動脈閉塞症,腸間膜静脈閉塞症,非閉塞性腸管虚血(NOMI:non-occlusive mesenteric ischemia)に分けられる。

 頻度の高い虚血性腸炎と,迅速な診断,治療を行わなければ重篤な合併症を引き起こす腸間膜動脈閉塞症,NOMIについて述べる。

診断のポイント

【1】虚血性腸炎は動脈硬化症や便秘症を伴う高齢者に多い。

【2】腸間膜動脈閉塞症は心房細動や弁膜症などによる塞栓が原因のことが多く,突然発症の腹痛はあるが腹部理学的所見に乏しいことがある。

緊急対応の判断基準

【1】虚血性腸炎では,症状や下部消化管内視鏡検査所見が軽度の場合には外来加療が可能。強い腹痛,血便や発熱,下部消化管内視鏡検査で全周性の白苔や強い浮腫,狭窄

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