頻度
よくみる〔人口10万対年間80~140程度であり,生涯罹患率は7~8%とされている。青年層から中年層を中心にあらゆる世代で罹患する(World J Surg 21: 313-317, 1997)〕。
GL
・急性腹症診療ガイドライン2015
・エビデンスに基づいた子どもの腹部救急診療ガイドライン2017
診断のポイント
【1】移動する腹痛部位。
【2】嘔気,嘔吐,微熱,便秘。
【3】右下腹部の圧痛。
【4】白血球増多,好中球増加,核の左方移動。
【5】CT検査は必須。
緊急対応の判断基準
CTにて遊離ガス像を認める穿孔性虫垂炎,反跳痛や筋性防御を伴う汎発性腹膜炎,敗血症をきたした症例,全身状態不良症例は緊急手術の適応である。
症候の診かた
【1】腹痛
❶初期は心窩部痛で発症し,痛みが右下腹部へ移動する。そのため初期は胃炎や胃痛と判断される。McBurney点(臍と右上前腸骨棘を結んだ外側3分の1の点)やLanz