診療支援
診断

原発性硬化性胆管炎
Primary Sclerosing Cholangitis(PSC)
中本 伸宏
(慶應義塾大学准教授・消化器内科)

頻度

あまりみない〔わが国の推定患者数は約2,300人,人口10万人あたりの有病率は1.80であり,2007年に行った全国疫学調査の有病率0.95/10万人と比較して約2倍に増加している。同全国疫学調査によると,男女比は1:0.9でやや男性に多く,好発年齢は若年層(20~40歳)と高齢層(65~70歳)の二峰性をとる〕

診断のポイント

【1】無症状で発見される症例が半数以上を占め,健診などの肝機能異常の指摘を契機に原発性硬化性胆管炎(PSC)と診断される症例が少なくない。

【2】診断は,胆汁うっ滞型の肝機能異常と肝臓内外の大胆管に特徴的な画像所見からなされ,肝生検は一部の症例以外では必須ではない。

【3】炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎やCrohn病)を高率に合併する(わが国では約40%,海外では約60~70%)。

【4】硬化性胆管炎を生じる他疾患(IgG4関連疾患,二次性硬化性胆管炎)との鑑別が重要である

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