[Ⅰ]肝血管腫
頻度
よくみる〔肝の非上皮性腫瘍で最も遭遇頻度が高く,肝良性腫瘍の80%を占めるとされ(Ann Surg 172: 239-245, 1970),剖検例において1~20%程度の頻度でみられると報告される(Neoplasms of the liver, pp105-225, 1987)〕
診断のポイント
そのほとんどが無症状であり,検診などで偶然指摘されることが多い。
症候の診かた
非常にまれな自然破裂の報告はあるが,通常,治療は必要とならない。
検査所見とその読みかた
【1】一般的に腹部造影超音波検査や肝ダイナミックCTでは腫瘍辺縁部から造影がみられはじめて,徐々に内部に向かって造影効果が広がっていく「プーリング」像が特徴〔「腹部の超音波診断」(→),「消化器疾患のCT・MRI診断」(→)も参照〕。
【2】ほとんどが海綿状血管腫であるが,まれに従来の海綿状血管腫の全体に退行性変化によって